一方で今を生きるアーティストは、多かれ少なかれ、より建築家に近い立場にいると思います。作品制作は必ずしもアーティストひとりでできるものではなく、プロセスの中に複数の他者が入り込んできます。プロジェクトベースの制作ではそれはほとんど建築と同じ過程を踏むことになる。ひとつの作品を作るのには様々な交渉が必要になる。また今となっては作品がただ純粋に作品として存在することはできないので、ぼくらは少なくとも自らの立ち位置を表明せざるをえない。単に絵画を見せるということであっても、それがどのレベルにおいて行われているのか、このアーティストはどの立ち位置から「絵画」を選んでいるのか、最低限の背景の説明が必要にもなる。